新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
「早く稽古しようよ。ほら。」
「あ…。どうも。」
沖田さんが差し出したきた木刀(ボクトウ)を手にすると、私は沖田さんを見上げた。
(わ…。すごい真剣な表情…。)
沖田さんがどのくらい凄いのかは分からないけど、私は一目見て分かった。
『沖田さんって…凄い人なんだ』って。
きっと、皆さんに尊敬されてる人だ。
私の手がガタガタ震える。
「そんな緊張しなくたっていいよ。俺は君の実力を確かめたいだけだから。」
「……!!」
私は木刀をギュッと握った。
きっと勝てない…けど
私の力を出し切る!!!
「やーーっ!!!」
私は沖田さんに向けて木刀を振る。
その木刀を沖田さんが受け止めた。
(強い……!!!)
沖田さんの力に負け、私は負けてしまった。
道場にいる人たちに注目されている。
「あ…ありがとうございましたっ!!」
そう言って、深く頭を下げた私に向けて、皆さんが拍手をしてくれた。
私は目を大きくして、オドオドする。