新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
(なんで拍手してくれてるの…??私、負けたはずなのに…。)
すると、藤堂さんが私に近づいてきた。
「お前、すごいな!!初めてなんだろ??」
「は、はい。」
「お前天才だって!!次、俺と稽古しようぜ」
大げさに言う藤堂さんに、私は笑いかけた。
「君ならきっと、壬生浪の一員として活躍できる。俺のこの目で見たんだし。」
「沖田さん…。ありがとうございます!!」
道場での稽古を終えた後、私は自分の部屋へ向かった。
夕日で外がオレンジ色に染まっている。
『ぐぅぅぅ~』
私は慌ててお腹を抑えた。
運が良かったのか、周りには誰もいなかった。
(よかった……。…それにしても、お腹が減ったな。)
そう思って、また足を動かし始めると、
「…真珠ちゃんっ!???」
すぐ近くから、聞いたことのある声が。
私の名前を呼んだけど…気のせいかな??
そう思って、周りをキョロキョロと見渡すと…
「佳代ちゃんっ!??」
そう。
そこにいたのは、佳代ちゃんだった。
私は目を大きくして、佳代ちゃんを見つめる。