新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)






(なんで拍手してくれてるの…??私、負けたはずなのに…。)


すると、藤堂さんが私に近づいてきた。


「お前、すごいな!!初めてなんだろ??」

「は、はい。」

「お前天才だって!!次、俺と稽古しようぜ」



大げさに言う藤堂さんに、私は笑いかけた。



「君ならきっと、壬生浪の一員として活躍できる。俺のこの目で見たんだし。」


「沖田さん…。ありがとうございます!!」





道場での稽古を終えた後、私は自分の部屋へ向かった。

夕日で外がオレンジ色に染まっている。


『ぐぅぅぅ~』


私は慌ててお腹を抑えた。

運が良かったのか、周りには誰もいなかった。



(よかった……。…それにしても、お腹が減ったな。)


そう思って、また足を動かし始めると、



「…真珠ちゃんっ!???」


すぐ近くから、聞いたことのある声が。

私の名前を呼んだけど…気のせいかな??


そう思って、周りをキョロキョロと見渡すと…



「佳代ちゃんっ!??」


そう。

そこにいたのは、佳代ちゃんだった。



私は目を大きくして、佳代ちゃんを見つめる。





< 36 / 153 >

この作品をシェア

pagetop