新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
「あの子、【花見(ハナミ)】ちゃんっていうんだけど…。どうやら男隊士全員を狙ってて…。女が男隊士に近づくとすぐ文句言ってくるの。」
「えー……。」
男隊士を…しかも全員を狙ってる…とか。
ちょっと…引くかも。
「で、でも挨拶くらいはしないとっ!!花見ちゃんって子、どこにいるの??」
「私の隣が花見ちゃんの部屋だから…。たぶんそこにいると思う。」
よ…よし!!
頑張ればきっと仲良くなれると思うし!!
それから、佳代ちゃんに案内してもらって、花見ちゃんって子の部屋に向かった。
その途中…。
「おい、佳代。」
男の人の声が。
佳代ちゃんが振り向く。
「何ですか??」
「これから夕飯の支度をする。すぐに来るように。」
「はいはいっ!!」
随分なれなれしく話してるけど…一体誰だろう??
私がその人を見つめていると、私の存在に気づいたらしい。
「新入りの奴か。確か金森…だったような。」
「はいっ!!そうです。金森 真珠です!!」
「お前も手伝えよ。」
「え。…あ、はい。お名前はー…??」
「【斎藤 一(サイトウ ハジメ)。」
そう言って、斎藤という人はどこかへ行ってしまった。