新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
部屋から出て、私が足を動かし始めると…
「ちょっと副長ぉーっ!!いくらなんでも早すぎませんかぁ??たった半年で真珠に巡察の許可を出すなんてっ!!花見なんて三年たってやっと許可してもらったのにぃ!!」
土方さんに向かって文句を言う、花見ちゃんの声が聞こえた。
私はくすっと笑って、道場に向かった。
稽古がすっかり好きになった私は、毎日稽古に行くのが楽しみで仕方がない。
「おお、真珠。今日の巡察よろしくな。」
「永倉さんっ!!」
【永倉 新八(ナガクラ シンパチ)】さん。
二番組組長。
明るくて元気で、いつも私を笑顔にしてくれる。
「いえ、こちらこそ宜しくお願いしますっ!!」
ペコリと頭を下げて、私は永倉さんを見上げた。
それにしても背が高い。
凛とした顔立ちに、大きな体。
「んじゃ、昼から巡察だから。稽古頑張れよ。」
「はいっ!!」
私はまた足を動かし始めた。