新撰組と一人の少女-sinzyu-(再)
第三巻
──「沖田さん…。…ゆっくり…休んでくださいね。」
「うん。ありがとね、真珠ちゃん。」
私は涙をグッとこらえた。
あれからお医者様に見てもらった結果、沖田さんに病があったらしい。
それも…『労咳(ロウガイ)』だった。
なのに沖田さんは、何もなかったかのように、普通にしている。
(なんで…??)
そう思うのも当然のこと。
沖田さんは冷静すぎるんだ。
「失礼しました。」
そう言って静かに障子を閉じた。
私だったらきっと…泣いて、悲しんで…悔しいと思う。
なのに沖田さんは……!!
「沖田さん…どうだった??」
私は我に返った。
目の前には佳代ちゃんが。
私は少しだけ出てしまった涙をふくと、話し出した。
「…まだ調子が良くないみたい…。」
「…そっか…。」
私たちはそれぞれ自分の部屋に戻った。
(沖田さん…。)
それからも私は沖田さんのことが心配でならなかった。
(このまま死んじゃったら…!!)
私はほっぺを叩いた。
ううん!!
それぐらいで沖田さんは死なない!!
そう自分に言い聞かせて布団に入った。