君と僕のボーダーライン


「はい、これで全部?」


『うん。ありがとう』


それから高杉くんは散乱した配布物たちを拾うのを手伝ってくれた

あとは運ぶだけだけど、ここは一階と二階の間の踊り場だから三階まで運ばなくてはいけない


高杉くんにお礼を言って配布物を持とうとすると

高杉くんに半分以上取られてしまう…



『え、あのっ』


「いいから。女の子がひとりで持つ量じゃないでしょ」


そう言って高杉くんは一足先に階段を上がっていく


何で…

何で今更、何でこんなに優しいの?


振られたのはやっぱり夢だったんだって思ってしまう

でも夢なんかじゃない、あれは現実


心が覚えてる、あの日の痛み


だから、これは今だけっていい聞かせる


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