君と僕のボーダーライン
「知らなかったんだね、お互いの両親が付き合ってる事」
『……うん、高杉君は知ってたんだ。』
「うん…ごめん」
高杉君は小さく謝罪したけど、その意味はよく分からなかった
知らなかったのは私がお母さんに何も聞こうとしなかったからで、高杉君は何ひとつ悪くないのに。
「もしかして体調悪い?」
『え、いや、そんな事…』
気分は良くなかったけど、それは昨日からずっとだから、あまり気にしてはいなかった
けど、確かに身体はけだるくて、瞼が重い
大丈夫、そう答えようとして突然意識が遠退いた
ふらりと高杉君に倒れかかる
「咲絢!?」
薄れゆく意識の中、高杉君が私の名前を呼んだのだけは解った。
あれ、いつから名前で呼ぶようになったっけ?
その答えは探せないまま、私は意識を手放した。