君と僕のボーダーライン
『ごめん、私…』
「俺、咲絢のお母さんと出会って幸せそうにしてる父さん見てさ、すごく嬉しかったんだ。この幸せ、守ってやりたいなって思うくらい。」
ベッドの隣に置いた椅子に座る高杉君が不意に話し出す
その間も、私の髪を撫でる手は止めない
まるでおとぎ話を子供に聞かせるみたいだった。
「咲絢はさ、まだ色々受け入れられないかもしれないけど、少しずつ認めてあげてほしいんだ。俺たちもゆっくり兄妹にっていうか、家族になっていこう?」
そう言って高杉君は優しい笑顔で笑った
告白するまで見せてくれていた、私の大好きな笑顔…
だけど、その言葉はあまりにも残酷で。
兄妹、家族、
私、再婚はもう認めている
お母さんが幸せならそれでいいって思ってる
高杉君のお父さんは、高杉君と同じ優しい笑顔で笑う人だった
そこに不安はないの。
だけど、受け入れられない
高杉君と兄妹になることは受け入れたくない
こんなにも好きな気持ちが溢れてくるのに