君と僕のボーダーライン
この線はずっと消えない
007
「隼人、咲絢ちゃんに部屋教えてあげて」
「はーい。咲絢、こっち」
あれから少し経って今日は引っ越し
高杉君の家は三五年ローンで建てたという一戸建てで、2人で住むにはあまりにも広い家だった。
2人になってから引っ越すことも考えたみたいだけど、ローンの事とかもあってここに住み続けていたみたい。
そこに私とお母さんが転がり込む形で引っ越してきた
『あ、ありがとう』
「重いのは俺が運ぶから、咲絢は軽いのね」
私とお母さんは狭いアパートに2人暮らしだったから荷物はあまりない
だから引っ越し業者には頼まず、みんなで作業する事になった。
やっぱり男の人がいると違うんだな、って力仕事になるとつくづく思わされる
私がふらふらになりながら持ち上げた段ボールを、高杉君があっさりと受け取って二階に上がっていく
その力強さにまたドキンと跳ねる心臓
「ここ、元は妹の部屋だったからちょっと内装が可愛いんだけど…ごめんね」
案内されたのは二階の奥から一つ手前の部屋。
壁紙は淡いピンクで、カーテンも可愛らしいレース
ぬいぐるみも窓際に置いてあって、いかにも女の子の部屋っていう雰囲気がもう十分漂ってる
そこでふと、疑問が浮かんだ
「え、妹さんいるの?」