君と僕のボーダーライン
すぅっと大きく息を鼻から吸い込む。
すると広がるのはやっぱり香水のニオイ。
その中に、微かにもうひとつのニオイ。
「咲絢?一体どうし、」
『―…お酒…?』
ほぼ無意識にかぎとったニオイの正体を口にすると、ぱんっと弾かれるように隼人から突き放された
そうして合った瞳は、今までに見たこともないモノだった。
鋭くて、冷たい。
気圧されるように私は一歩足を後ろに引いた。
だけどその行動に私が出した答えは当たってるんだ、と確認する。
私の嫌な予感はあながち外れてない
未成年の飲酒は法律で禁じられてるはず。
『…どこで、飲んだの?』
今は割りと厳しいから居酒屋とかスーパーは確認されるはず
緩いとすれば、騙せるとすれば
また嫌な予感がよぎった時、突然隼人に腕を掴まれ半分くらい引きずられるようにして二階の隼人の部屋に押し込まれる。
部屋に入って私は投げ捨てるように手を離され、扉は隼人が身体で塞ぐ
「悠太でしょ、咲絢にいらない知識吹き込んだの」
『…うん。でも、どうして?何してたの?』
「教えてほしい?」
『え?』
「こういうこと、してたんだよ」
突然今まで以上に無表情になった隼人が、また私の腕を掴んで
今度はベッドに私を押し倒した。
あまりの事に頭がついていかなくて、きょとんとしていたら
目の前が真っ暗になった。