君と僕のボーダーライン
011
「…まだ俺の事好きなの?」
解放された両手で顔を覆って涙を拭くけど、止まる気配はない
すると、隼人が冷たい声でそう零した。
ビクッと肩を震わせててしまって、もう言葉で何を言ったって無駄だろう
それでも、否定するしかないんだ。
その線を侵してはいけない
『…そんな事、あるわけないっ!!』
涙を拭っていた両手で思い切り隼人を突き放して、身体の底から叫んで、私は部屋から逃げ出した。
そしてそのまま家からも飛び出した。
涙が止まらない
バレてしまった絶対に
もう戻れない
家族にも、その前の関係にも
もう二度と、戻れない。