君と僕のボーダーライン

014




「ストーカーさん、今どんな気分?」



ふと声をかけられて顔を上げると、悠太がいた


やっぱり悠太にはバレてたんだ


家を出てからずっと、二人の後をつけてきた事。



「悠太、本気で咲絢の事好きなの?」



そう言ったら、悠太は笑っていた顔を冷たくして、大きくため息をつく


後をつけてたんだから、見てしまった



二人のキスシーン



手を繋いでるだけでももやもやしていた心が、キリキリと痛み出した



「逆に聞くけど、お前はどうなの?兄妹になって、吹っ切れた?」



悠太は何でも知ってる


咲絢が俺に告白してきた事も、俺がその時咲絢の事が好きだったことも


お互いの両親が付き合っているのを知ってたから、俺が咲絢を振った事も


俺が咲絢を忘れるために時々クラブに行って酒飲んで、女を抱いてることも



何もかも、全部



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