狂想曲


仕方なく、私は2杯目のギムレットを手にした。

それと同じタイミングで、レオがやってきた。


スキップしてるみたいな、いつもの独特の歩き方で。



「お待たせ、律さん」

「うわっ、予想外! 年下じゃん! しかもかっこいい!」


私が返事するより先に、百花が驚きの声を上げた。

レオはそんな百花に笑い掛けながら、



「はじめまして、レオです。図々しくもお邪魔しちゃってごめんなさい」

「そんなの全然いいってー。律の顔なんか見飽きたし。あたし、百花。よろしくねー」


言うに事欠いて、失礼千万な百花の台詞。


ついでとばかりに酔っ払っている百花はレオにハグしていた。

私は慌ててそんな百花の肩を引く。



「やめなってば。レオ、困ってるでしょ」

「何よー。いいじゃない、ちょっとくらい。律の友達ってことは、必然的にあたしも友達みたいなもんなんだから」

「どういう理屈なのよ、それ」


百花は私にベーッと舌を出して見せた。

イラッとなった私に対し、レオは「あははっ」と声を上げた。



「すごく嬉しいです。ぼく、律さん以外にちゃんとした友達っていなかったから」


少し意外だった。

レオってもっと、ひなたでたくさんの友達に囲まれてるイメージだったから。


レオも私たちと同じようにギムレットを頼んだ。



「どうしたの? 元気ないみたいに見えるけど」


顔を覗き込んだ私にレオは、「ばれちゃったか」と言いながら、
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