狂想曲
「実はさっき、兄貴と喧嘩しちゃってね。何年も前に絶縁状を叩きつけてきたくせに、今更連絡してきて、何なんだか」
「………」
「だから律さんに愚痴ろうと思って電話したんだけど、今日はいいや。折角百花さんにも会えたんだし、みんなで楽しく飲もう」
また兄弟・姉妹の話だ。
嫌になってくるなと、思いながら私は酒を流した。
話は終わったと思ったはずだったのに、百花はレオに同調するように「わかるよー」と言っている。
「ムカつくー。何様だよって感じ。偉ぶっちゃって。みたいな?」
「そうそう。まさしくその通り」
「ひっどい話。あたしだったらこんなにかっこいい弟がいたら、優しくすんのに」
「ぼくだって百花さんみたいな姉がいたら、何でも言うこと聞いちゃいますけどね」
ふたりは私なんてそっちのけで、すでに意気投合したらしい。
でも、これはこれでいいのかもしれないと思った。
百花は決して、レオのことを可愛いなとどは言わない。
誰かに愛されたい百花と、誰かを愛したいレオは、ある意味ではお似合いだと思う。
「私、そろそろ帰るから、あとはふたりで飲んでなよ」
「えー?」
声を揃えるふたり。
「レオ、年上でも百花は一応女なんだから、ちゃんと送り届けてあげてね」
「はーい」と言ったレオに対し、百花は「一応って何よ」と口を尖らせていたけれど。
私は「ばいばーい」と後ろ手に手をひらひらとさせ、さっさと店を後にした。
店を出たら湿り気を帯びた風に吹かれた。
もうすぐ梅雨も終わる。
そしたら暑苦しい夏が来る。
キョウからの連絡は、今日もなかった。
「………」
「だから律さんに愚痴ろうと思って電話したんだけど、今日はいいや。折角百花さんにも会えたんだし、みんなで楽しく飲もう」
また兄弟・姉妹の話だ。
嫌になってくるなと、思いながら私は酒を流した。
話は終わったと思ったはずだったのに、百花はレオに同調するように「わかるよー」と言っている。
「ムカつくー。何様だよって感じ。偉ぶっちゃって。みたいな?」
「そうそう。まさしくその通り」
「ひっどい話。あたしだったらこんなにかっこいい弟がいたら、優しくすんのに」
「ぼくだって百花さんみたいな姉がいたら、何でも言うこと聞いちゃいますけどね」
ふたりは私なんてそっちのけで、すでに意気投合したらしい。
でも、これはこれでいいのかもしれないと思った。
百花は決して、レオのことを可愛いなとどは言わない。
誰かに愛されたい百花と、誰かを愛したいレオは、ある意味ではお似合いだと思う。
「私、そろそろ帰るから、あとはふたりで飲んでなよ」
「えー?」
声を揃えるふたり。
「レオ、年上でも百花は一応女なんだから、ちゃんと送り届けてあげてね」
「はーい」と言ったレオに対し、百花は「一応って何よ」と口を尖らせていたけれど。
私は「ばいばーい」と後ろ手に手をひらひらとさせ、さっさと店を後にした。
店を出たら湿り気を帯びた風に吹かれた。
もうすぐ梅雨も終わる。
そしたら暑苦しい夏が来る。
キョウからの連絡は、今日もなかった。