狂想曲
【摂食障害に関するQ&A】

【拒食症・過食症の症状と傾向】

【精神科医に聞く、摂食障害の実態】


わけがわからず、私は適当なひとつをクリックした。



「律、いいから」

「よくないよ。これ、私のことでしょ?」


記事には私が今まで吐いたりしていたことや、その時の行動と、まるで似たことばかり書かれていた。

自分のことじゃないかとすら思い、ぞっとした。


あぁ、私はキョウが言った通り本当に、病気だったのか。



自覚したら、なぜだか笑えてきた。



「そっか。うん。わかった」


そして私はキョウに「ありがとう」と言った。

きっと色々と調べてくれたのだろうし、こんな私とでも向き合おうともしてくれていたのだと思う。


だから、もう一度「ありがとう」と言った後、「ごめんね」と付け加えたのに、



「いや、それは俺じゃなくて、律の友達に言ってやれよ」

「友達?」

「病院にいた子だよ。えっと、……もえか? じゃなくて、もりか?」

「……百花?」

「そうそう、その子。あの時、番号聞かれたから教えといたら、昨日の昼にかかってきて。で、『律がおかしい』って言ってて」

「え?」

「んで、『知り合いもあんな風だった』、『もしかしたら摂食障害じゃないですか?』って言われたから、俺、調べたんだよ」


私は驚いて目を見開いた。

でもキョウは受け流すように言う。



「まぁ、そんなのいいから、それより今はどこ行くかが先だろ」


キョウはやっぱりそれには触れなかった。

それがキョウの優しさなのだと、私は今更思い出す。

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