狂想曲
愛されることに資格なんて必要なのだろうか。
いたいけな少年の瞳が揺れる。
私は、私と同じくらいの身長の、レオのくしゃくしゃの金髪頭を撫でた。
「見つけようとしなきゃ見つからないものもあるんだよ」
私の言葉に、レオはふっと笑みを零し、「ありがとう」と言った。
「律さんに愛される人は幸せ者だね」
「私は女神なんかじゃないよ」
「そんなのわかってる。だけど、あなたには人を幸せにできる力があるの。少なくとも、今ぼくは少し救われたよ」
レオは私のグラスに乾杯した。
私は、何だか可愛い弟ができたみたいな気持ちになった。
嬉しかった。
「レオを愛してくれる人、見つかるといいね」
レオは笑う。
少し悲しげな目をして、笑うだけ。
幼さと大人っぽさの混在する年頃の、刹那で変わりゆく不思議な色をした瞳を伏せるようにして。
「ねぇ、それよりも律さんの話を聞かせて」
「私の話って?」
「好きな人、いるんでしょ?」
身を乗り出して聞いてきたレオの顔は、いつもの屈託のない少年のような笑みに戻っていた。
だけど私はため息混じりにギムレットを流す。
「ごめんね。私まだ人に言えるほどあの人のことよく知らないから」
言ったら少し、虚しくなった。
レオは「そっか」としか返してこなかった。
何だか今日は、酔うに酔えない感じだった。
いたいけな少年の瞳が揺れる。
私は、私と同じくらいの身長の、レオのくしゃくしゃの金髪頭を撫でた。
「見つけようとしなきゃ見つからないものもあるんだよ」
私の言葉に、レオはふっと笑みを零し、「ありがとう」と言った。
「律さんに愛される人は幸せ者だね」
「私は女神なんかじゃないよ」
「そんなのわかってる。だけど、あなたには人を幸せにできる力があるの。少なくとも、今ぼくは少し救われたよ」
レオは私のグラスに乾杯した。
私は、何だか可愛い弟ができたみたいな気持ちになった。
嬉しかった。
「レオを愛してくれる人、見つかるといいね」
レオは笑う。
少し悲しげな目をして、笑うだけ。
幼さと大人っぽさの混在する年頃の、刹那で変わりゆく不思議な色をした瞳を伏せるようにして。
「ねぇ、それよりも律さんの話を聞かせて」
「私の話って?」
「好きな人、いるんでしょ?」
身を乗り出して聞いてきたレオの顔は、いつもの屈託のない少年のような笑みに戻っていた。
だけど私はため息混じりにギムレットを流す。
「ごめんね。私まだ人に言えるほどあの人のことよく知らないから」
言ったら少し、虚しくなった。
レオは「そっか」としか返してこなかった。
何だか今日は、酔うに酔えない感じだった。