貴女は僕の運命の人ではありませんでした



“彼女”の姿を見えなくなるまで見続けてから、俺はその場に座り込んでさっきのQRコードで開いたアドレスを携帯に登録した。






“彼女”は、秋原智香。


アドレスにbaseballとある事から野球好きだとわかる。


おまけにd-_-bなんてのもあるし、茶目っ気たっぷりなんだともわかる。




智香さんは、俺より二つ上の27歳。


肩下10cmくらいの栗色のストレートヘアー。


身長160cmくらいかな・・。ガリガリじゃない細身。


ちょっとだけたれ目っぽいけど、クリクリっとしてて、愛らしい。


野球の応援ばかり行ってるだろうに焼けていない白い肌。


何より・・・クシャっと笑う姿が、年上には思えない可愛らしさだった。







俺は、ハァーーーと深いため息をつく。






俺・・・智香さんに・・・一目惚れしたわ・・・。





その時、純の事なんて頭の片隅にもなくて、とにかく智香さんで一杯だった。







“今日はお疲れ様でした!また試合した時はよろしく!!伊東貴司”




そうメールを作って、何度も読み直す。


もっと絵文字とか使った方がいいか・・?


でも・・初メールだしなぁ。


絵文字が嫌いな人かもしれないし・・・。





なんて、乙女チックに悩んで、結局最初の文章で送信した。





メールを送るだけでドキドキするなんて。


早く返事来いっっ!!なんて思って、暫くの間、トイレの前で携帯を開けたり閉じたり・・を繰り返した。

< 11 / 169 >

この作品をシェア

pagetop