貴女は僕の運命の人ではありませんでした
トモを正面に向けて抱きしめた。
このまま今すぐにでも抱いてしまいたい・・・
けど、それよりも先に・・・
「...ねぇ。トモ...このまま聞いてくれる?」
俺は抱きしめた腕を少し緩めて、トモの顔を見る。
トモは、「...なに?」と上目遣いで小首をかしげた。
「前にも言ったけど...俺は本当にトモが好き。今の彼女よりも...
それに彼氏よりもトモのことが好きだって自信もある。」
「...うん。」
「初めてトモに逢った時、人生初の一目惚れをしたんだ。
それからトモと逢う様になって、どんどん好きになっていってて...
身体の関係持った時に変な意味じゃなくて、相性がいいんだって思った。」
「......」
「正直ね、男が言うのも恥ずかしいんだけど...運命だって思ってる。
トモと出逢えたのも、トモの事を好きになっているのも。トモは、今の彼氏と居て幸せ?他に女の影が見え隠れしてるのに...幸せ?」
「...別に不幸ではない...よ?」
「...じゃぁ、なんで...彼氏に抱きしめられててあんな顔するの?俺に抱きしめられてる時はあんな顔してないじゃん。」
「......」
「推測で話するけど...トモは彼氏の事が好きなんじゃなくて、彼氏と居る時間が長すぎて、離れるのが怖いから彼氏といるんじゃないの?その不安な部分を俺で補ってるんじゃないの?」
「...そんな!!」