貴女は僕の運命の人ではありませんでした
「梅雨だから雨を心配したけど、晴れてよかったね~!」
「ホントホント!日ごろの行いがいいんだよ♪...っつうか、トモ、いつも以上に可愛いし♪」
「ホント?!貴司に服選んでもらってよかったぁ♪」
「まぁ、トモは何着ても可愛いんだけどね?」
「しょうがないなぁ...あとで100円あげるわ」
「俺はガキかっ?!?!」
・・・そんなやり取りをしてると、車のラジオからあの曲が流れ出した。
「っあ!!あたしこの曲好き!!One more time One more channce...だっけ?
なんかよくわかんないけど泣けそうになるよね...」
「確かに...切ないというか...でもなんとなく気持ちわかるような気がするっていうか...
もし、トモと離れ離れになるようなことがあったら俺もこの歌詞みたいに色んなところにトモを捜してしまうんだろうな...」
「...昨日付き合うって言ったばかりでもう別れる事考えてるんですか...」
トモが少し膨れて俺を見る。
そういうのが安心させてくれるんだ。
俺の事少しでも好きでいてくれてるんだって・・・
「6月28日...」
「うん。」
「俺たちの記念日...」
記念日なんか気にした事がないのに。
トモが相手だとホント乙女チックになるんだよなぁ・・・
俺は前を見たまま、そっと左手でトモの右手を掴む。
「...ずっと一緒に居ようね」
トモのそんな言葉にテンションは一気に上がっていった。