貴女は僕の運命の人ではありませんでした




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「眠かったら寝てっていいよ?」




「...うん。だい...じょうぶ...
運転して..もらってて...助手席は寝たら..失礼..だし...」




トモは、絶対に眠いだろうに、俺に気遣って無理して起きてる。


・・・起きてるっていうか、半分寝てるけど。




「サービスエリア入ったら起こすから。それまでは寝てな?」



そう言って頭を撫でると、「...うん。」と、トモは寝落ちした。




助手席で寝てくれるって、男的にはちょっと嬉しかったりする。


安心してくれてるってことだろうし・・・


なんかいいよなぁ・・・こういうの。


好きな人と遠出して、好きな人が助手席で寝てくれてて・・・




“結婚”したら、こういう絵に描いたような幸せが当たり前になるんだろう・・・






“結婚”かぁ・・・



今まで考えた事なかったけど。


トモとなら・・・してもいいな。






スースー・・・と聞こえる、控えめな寝息。


そんな寝息までもが愛しい・・・





このまま帰したくねぇ・・・


彼氏に会わせたくねぇ・・・





サービスエリアで休憩せずにこのまま地元のホテルにチェックインだな。


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