貴女は僕の運命の人ではありませんでした
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「トモ!着いたよ!」
車を駐車場に入れて、寝ているトモを起こす。
「う...ん。もう着いたんだ?
って、え?!?!ドコ?!?!ココ!!」
ありえないくらいの驚きようで思わず笑ってしまう。
「ぷっ...なんでそんなに驚く?ドコってココ、ラブホっすけど?」
「家に送ってくれたんじゃなかったの?!?!
ってか、なんでラブホ?!?!」
「...だって、帰したくなかったし?
トモは帰りたかった?」
俺のその言葉にトモは“はぁ...”と軽くため息をついて言った。
「参りました...」
トモも帰りたくなかったんじゃん。
「あ。でも、貴司はいいの?連泊しちゃって...」
「いいよ、別に。
今日は金曜だからどうせ自宅には帰らない日だし。」
・・・本当は“彼女なんかどうでもいいよ”ってストレートに言いたいけど。
「逆に聞くけど。トモは彼氏...に怒られない?大丈夫?」
「え?あ...うん。大丈夫。」
・・・めちゃ複雑。
俺も“彼氏”になったのにもう一人の彼氏に気を遣うなんて。
「んじゃぁ、今日もお泊りしようね♪
明日は野球だから朝早いけど...」