貴女は僕の運命の人ではありませんでした




自宅に着くと、駐車場に純の車が停まっているのを確認。


玄関前で、カードキーをポケットから取り出す。


手が小刻みに震えているからか、カードキーがなかなか鍵穴に入らない。



なんとか鍵を開けて、中に入ると純のパンプスが綺麗に揃えて置いてあった。




「純っ!!いるか?!」





バンっとリビングのドアを勢いよく開けると、




「うわぁっ!!ビックリしたぁ~!!
もう!たかちゃん、驚かさないでよね!!」




パジャマ姿の純がソファーで胡坐を組んでテレビゲームをしていた。





「はぁ...どういうことだよ...」



俺は一気に脱力してその場に頭を抱えて座り込んだ。




「あぁ!もしかして、あたしを心配して来てくれたの?!?!
汗びっしょりだし...そんなに心配だったんだ?
そんなにあたしに会いたかったんだ??」



純はそんな俺の背中に負ぶさる様に抱きついて、そんな事を口にした。



怒りを通り越して呆れる・・・




「“死ぬかもしれない”ってなんだよ...」




「あ...あれ?ゲームの話♪
たかちゃんが全然連絡くれないからちょっと意地悪してみたの...
でも、こうやって来てくれて嬉し...」




俺は純の話の途中で純の手をパシッと払いのけた。
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