貴女は僕の運命の人ではありませんでした




自宅の駐車場には純の車はない。



素早く自宅に入って、スポーツバッグの中身を出した。


洗濯物を洗濯機に放り込んで、最速設定で回す。


その間に1週間分の着替えや私服を空いたスポーツバッグに詰め込んだ。




クローゼットから数着のスーツと、カッターシャツを取り出してそのスポーツバッグの上に置き、洗濯が終わるのを待った。




ふとテーブルの上に視線をやると、“たかちゃんへ”と書かれた手紙が目に入った。


少しでも純が気になったなら、その手紙に目を通すんだろうけど・・・


俺はそれを読まずに丸めてゴミ箱に捨てた。





今朝の事。


純を心配して駆けつけた・・かのように思われたけど。


それは半分の感情。


残りの半分は、俺の部屋でそんな事されたら迷惑だ・・って思ってしまっていたから駆けつけた・・・






純の事は、嫌いじゃなかったのに・・・


そりゃぁ、付き合い始めは“好き”って感情はあった。


でも、“付き合ってください”って告白されて、他に相手も居なかったからなんとなく付き合ったのも事実。


軽い気持ちで、暇つぶし程度・・・だったのに。


いつの間にか純には本気になられてしまって・・・



ホント、潮時だよな。




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