貴女は僕の運命の人ではありませんでした
暫くして、トモから飲み会終了のメールが届いて、俺はすぐに車を出した。
飲み屋から少し離れたコンビニの駐車場に入り、トモが来るであろう方向をジッと見つめる。
そして遠くから小走りでこちらに向かってくる人影を見つけ、思わずクスっと笑ってしまった。
きっとヒールを履いているんだろう、慎重に、でも少しでも早く・・って言うのがひしひしと伝わる走り方。
「遅くなってごめんねっ!待った??」
「さっき来たばっかだし!
それより、飲んで走ったら気持ち悪くなんないの?」
「あ...大丈夫。早く貴司に会いたかったし...」
ほろ酔いなのか、少し顔を赤らめてそう言うトモが可愛い。
チュっと触れるだけのキスをすれば、「もぉ...」と言って膨れる。
・・・帰したくねぇ。
ホテルに行くか・・・。
でも。野球の用意なんも持ってないから朝早くにバタバタとホテル出るのもなぁ。
じゃぁ・・・
「ねぇ、トモ。
今日、帰らなくて平気?」
「え?別に大丈夫だけど...あたし着替えとか持ってないし。」
「今からトモん家に取りに行って~だったら大丈夫?
あ。彼氏...来たり...とか?」
「あ...それは大丈夫。今日は他のコーチの家に泊まるみたいだから...」
「じゃぁ、いいね。
今さ、俺の実家誰もいないんだよね。だから泊まりに来ない?」
トモは俺の誘いに一は困惑していたけど、「俺と一緒に居たくないの?」って言葉に
「しょうがないなぁ...」と了承してくれた。