貴女は僕の運命の人ではありませんでした



トモの家に着替えやらの荷物を取りに行って、俺の実家に・・・





「おじゃましま...す」




遠慮がちに小さい声でトモは言う。





「ハハっ。だから誰もいないってば。遠慮せずにあがって?」




俺の部屋にトモを通す前に、とりあえず先に風呂に入るように促した。


急遽の事だったから、軽く部屋の掃除がしたかったし。





トモが風呂に入ってる間に、見られたくない色んなものをクローゼットに隠す。


グルッと部屋を見渡して、見落としが無いのを確認したと同時に“ブー...ブー...ブー...”と鈍いバイブの音が聞こえた。




床においてあった俺の携帯が着信を示していた。






着信相手は・・・純。


留守電に切り替わると、また着信・・・留守電・・・着信・・・が数分間繰り返された。





・・・うぜぇ。なんなんだよ。





電源を落とそうかと思った時に、今度はメール。




どうせ、“あいたい”とか“ごめんね”とかだろ・・・



なんとなく開いてしまったメールを見るとやっぱり・・・





“今どこにいるの?一人?今から会えない?”






はぁ・・・



俺は返信もせずにそのまま携帯をベッドに放り投げた。
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