貴女は僕の運命の人ではありませんでした
別れ
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名残惜しいのを我慢してトモとホテルを出る。
並んで歩く時に手を繋ぐのも当たり前になってきて、無意識にトモの指に俺の指を絡めた。
「うわぁ...俺、帰りたくねぇ...」
「仕方ないよ...今日月曜日だし...」
「...だよなぁ...月...曜...」
・・・しまった・・・今日って純と話し合いをする約束をしてたんだった・・・
俺はペアリングのことで頭がいっぱいですっかり忘れてしまっていた。
こっそりポケットから携帯を取り出して見ると、案の定、着信も受信メールも凄い数で。
...はぁ...めんどくせ...
思わずため息が出た。
「貴司??どしたの??」
不意にトモが俺の顔を覗き込んでくる。
「んぁ?あぁ...会社の人からめっちゃ電話鳴っててさぁ。仕事でなんかあったっぽ
い...」
「えぇぇぇ?!大丈夫なの?!電話しなよ!!会社の人困ってるんじゃない?!」
「う...ん...困ってるっていうか...」
困ってるのは俺なんだけど・・何て言えず。
「あたしはタクシー拾って帰るから、貴司はすぐに連絡して!!ね?!」
「ん...そうする...なんか、ごめん。せっかくのデートなのに...」
「いいよ!気にしないで!んじゃぁ、あたし行くね?」
トモはそう言うと、丁度通りかかったタクシーを停めて乗り込んだ。