貴女は僕の運命の人ではありませんでした




-・・ピロロロロロ・・・ピロロロロロ・・・-


-・・ピロロロロロ・・・ピロロロロロ・・・-


-・・ピロロロロロ・・・ピロロロロロ・・・-




静まり返った車内に甲高い携帯の電子音が鳴り響く・・・






「うわぁ...マナーモードにしとくの忘れてたし...
ちょっと待ってて。今止めるから...」




俺は暗がりの中、スーツのジャケットを取り、内ポケットをガチャガチャとまさぐった。




早くトモと繋がりたいばかりに、ポケットから携帯を取り出さず・・・




俺は指の感覚だけに頼り、サイドボタンでマナーモードに切り替えた・・・はずだった。




着信が鳴り止んだからサイレントになったんだと安心してしまった・・・




さぁ、邪魔はなくなった・・・トモと一つになろう・・・とした瞬間。









「もしもし?たかちゃん?!どこにいるの?!また女といるの?!早く帰って来てよ!!」







携帯からはっきりとした純の声が響いた。



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