貴女は僕の運命の人ではありませんでした
数日振りに逢う智香さんに俺はドキドキしっぱなし。
智香さんは、雑誌を立ち読みしていたのか手にしていた雑誌を置いて、店の外に出てきた。
「ひさしぶり!!」
可愛いらしいクシャっとした笑顔で俺の前に・・・
・・目の前に智香さんが・・・いる・・
この間みたいにデニムにTシャツではなくて、ハイウエストのプリーツスカートに胸元にちょこっとフリルの付いたシャツ。
おまけにクルッとゆるく巻いた髪をカチューシャで留めて・・・
マジ、タイプなんすけど?!?!
俺の理想の女の子って・・・まさしく智香さんじゃん?!?!
何これ・・・美人局の詐欺とかに捕まっちゃう感じ??
だって、そうでしょ??
ホントに俺の理想の女性像が目の前にいるんだから。
出来すぎでしょ?!?!
「...おーーい!!伊東君??」
智香さんの声でハッと我に返る。
「どしたの?疲れてる??」
「...いえ。あまりに智香さんが可愛いから...見惚れちゃって」
「うわっ!!もぉ!!そういうの女の子が喜ぶって知ってて言うんでしょ?!慣れてるなぁ...危険危険!!」
「慣れてなんかないって!マジで...そう思ったし」
「はいはい...さて、ご飯行こうか!お腹空いちゃって気持ち悪いし・・・」
「あ!これ!待たせたお詫びっちゃぁなんだけど...」
俺は、さっき買った一か八かの微糖のコーヒーを手渡した。
「おぉ!アリガトーーー!!ってか、何で、私がこればっかり飲むって知ってたの?!言ったっけ??」
「ただの勘だよ!野球やってると洞察力も身につくからね♪んじゃ、飯行こうよ!」
俺たちは智香さんの車に乗り込んだ。