貴女は僕の運命の人ではありませんでした
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「こぉぉーーーーーい!!!」
---- カキィーーーーーンっ!! ----
「凄いじゃん!打てるんだ??」
「ちょっとだけね♪彼氏にたまに教えてもらってるから~...っと話しかけないで!!」
彼氏・・・か。コーチやってるんだっけ・・・。
俺が教えてあげるのに・・・
「ねぇ!!伊東君!!もっと上手に打ちたいんだけど?!?!」
裸足でプリーツスカートをなびかせて、夢中になってた智香さんがバットを持ったまま急に振り向いた。
「...うーーん。女の子にしては上出来じゃないの?」
「ダメダメ!!ホームラン打ちたいの!!」
「ハハハ...何目指してんの、智香さんは。」
「あぁーー!!馬鹿にした?!やるならとことんやりたいじゃん??」
「そっか。んじゃぁ...バット構える時にバットねかせて、そこから振ったらどうかな?智香さん、振りが遅いからさ。」
「わかった!!こう??」
・・・ヤバイ。正面向いてバット構えて、顔だけこっち向けて・・・“こう??”とか。その姿かなり可愛い・・・
「そ...そうそう。っつうか、智香さん、今の姿写真とっていい?かなり可愛い!」
俺がそう言うと、智香さんは“な..なに言ってんの!!バカ!!”と正面にプイっとした。