貴女は僕の運命の人ではありませんでした
また暫く沈黙が続いて・・・
「ねぇ、智香さん。ギュってしていい?」
・・なんて、おもいきった事を言ってみた。
「え??....ちょ...」
智香さんの返事なんて聞けない。
俺は後ろからギュっと智香さんを抱きしめた。
ガリガリじゃない細さで、俺の腕の中にスッポリ納まる・・・
後頭部に顔をちょっとくっつけると、智香さんのシャンプーの香り・・・
「伊東くん...紳士じゃなかったっけ??」
「え?なんの話?それ。」
「...もぉ!彼女いるのにこんな事してちゃだめじゃん...」
「...じゃぁ、智香さんは彼氏いるのに...なんで抵抗しないの?」
「......」
「聞いて智香さん。俺さ...智香さんに初めて逢った時に...智香さんに一目惚れした...んで、何度か逢って段々好きになっていってる。現在進行形...」
「......」
「俺...智香さんが好き。」
「......」
「...智香さん、こっち向いて?」
俺は、抱きしめていた腕を緩めた。
すると、智香さんはゆっくりと・・・俺の方に身体ごと向く。