貴女は僕の運命の人ではありませんでした
「ちょっ...伊東くんっ!!はい、今日はもうチュウ終わり!!」
「え...なんで?帰り際とかしたいじゃん?」
「...ちょっとだけ、まじめな話しよっか。」
腕の中の智香さんが、急にそんな事言うから、「う、うん...」としか言えず。
惜しみつつも、抱きしめていた腕を離した。
「えっと...さっきの事は...ホンキ?」
・・・さっきの事・・・つまりは、俺が智香さんを好きって事だよね。
「うん。俺は智香さんが好き。コレはホント。」
「そっか...でも...かの.. 「彼女には前から恋愛感情はないよ。」
「え..?」
「俺、なんとなく彼女と付き合っててさ。お互いの親にも紹介済みで、なんというか、後戻りできなくて...まぁ、いっか..で過ごしてきてるのもホント。
智香さんが言いたい事はわかる。順番が違うって事も。彼女と別れてから智香さんに気持ちを伝えるのが筋だって。」
「......」
「俺、いつもこんなんじゃないのに...智香さんに対してだと気持ち抑えられなくて。ホントに好きなんだ。...って、信用できない...よね」
智香さんは俯いたまま。