貴女は僕の運命の人ではありませんでした




「...俺の事好きになりかけてるから...キス拒否んなかったんでしょ?」




・・・ナニ、俺。コレで“それは違う”とか言われたらただの妄想野郎じゃん。




でも智香さんは・・・




「...そう。伊東くんの事、まだ好きまではいかないけど、気になってる...イチローの打率くらいだけど...」



・・・イチローの打率くらいって・・・三割じゃん。




「さ、三割打つのは凄いことだし!!ってか、少しでも俺の事意識してくれてるなら...いいよ。それでも。でも、絶対、俺の事好きにさせるから。俺だけが智香さん好き..だなんて、嫌だし。お互いに好きでいて欲しいし。っつうか、彼女と別れるわ、俺。」




すると、智香さんはバッと顔を上げて言った。




「彼女と別れるのは...やめて。」




「なんで?別れないと、智香さんに向き合えないし、彼女にも悪いじゃんか?」




「...こういうのがきっかけで別れる...とか、なんか嫌だし。重い...」




「...わかった。じゃぁ、まだ別れない。でも...俺、彼女と絶対にエッチしないから。だから、約束して?智香さんも彼氏に気持ちが100%じゃないなら、彼氏に簡単に身体許さないって。」




「...うん」





俺は智香さんのその一言で、彼氏よりも一歩前に出たって確信した。




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