貴女は僕の運命の人ではありませんでした



次の日。




目が覚めて、朝の支度をしてから、携帯をチェックすると、メールが三件。


一件は、朝6時半に智香さんから。



“おはよう!昨日は爆睡こいちゃってたぁ!!ってか、今日練習試合なんだね!知らなかったよぉ!!お手柔らかにぃ~”




後の二件は純から。



“たかちゃん?寝てる?今日一度もメールなかったね...疲れてる?大丈夫?”



“たかちゃん。たかちゃんに会いたい。たかちゃんが大好き”




純からのメールは夜中の2時過ぎ。


普通寝てるだろ?・・と、そのまま削除した。






・・・さぁて。


今日も一日野球頑張るか!!


智香さんに逢えると思ったら、テンションが上がってくる。


昨日の今日だし・・・ちょっと照れくさいけど。


・・にしても。昨日の智香さん・・・可愛かったなぁ。





・・なんて余韻に浸っていると、携帯が着信した。


時間を見るとまだ7時半。


誰だよ、こんな朝早くに・・・と携帯を開くと見知らぬ番号。


アドレスに登録されていない番号・・・



・・・あっ!!もしかしたら・・・ゴールデンボーイズの監督かも?




だいぶコールさせてしまっていたから、急いで電話に出る。




「はい!もしもし!」




「あ!おはようございます!朝早くにすみません...ゴールデンボーイズの久野と言います。」



・・・やっぱり。



「あっ!はい!お世話になります!!今日は練習試合をしていただけるそうで!!」




「あ、はい、そうなんですけど、12時とかキツイですか?」




「うちは大丈夫ですよ。その時間にお待ちしてます。」




「今日は、私がそちらに行けないので“山瀬”と言うやつに監督代行で行かせますので宜しくお願いします。」



「山瀬さんですね?わかりました。では、お願いします。」





・・・電話を切ってから、試合どころじゃなくて。


智香さんに逢える・・という事ばかり考えていた。

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