貴女は僕の運命の人ではありませんでした





その一点から目が離せない。









同じTシャツを着た、その集団が俺の前を「今日はお願いします!!」と挨拶しながら通過する。





「あ...はい...」 としか言えない俺。







そして・・・






その一点が俺の前を通過して、俺に向かって、「こんにちは!」と言った時。







心臓が急にうるさくなった。





心臓って喉にも耳にもあったっけ?ってくらいアチコチで鼓動する。





呼吸をするのも忘れるくらいで。









「あ...あのっ!!」








思わず声を掛けてしまった。


「え?」って感じに振り返る彼女。






「あ...えっと...今日は宜しくお願いします...」






「はい、こちらこそ!!」






彼女はクシャっとした笑顔で俺に言った。








その笑顔にまた俺の心臓はアチコチで鼓動しだす。






ヤバイ・・・


俺・・・





ヤバイ・・・





彼女の後姿を目で追いながら、右手で口を押さえる。



なんだよ、コレ。ニヤケが止まんねぇ・・・



ってか、なんだよ、コレ。








ドキドキが止まんねぇ・・・




< 7 / 169 >

この作品をシェア

pagetop