貴女は僕の運命の人ではありませんでした
その一点から目が離せない。
同じTシャツを着た、その集団が俺の前を「今日はお願いします!!」と挨拶しながら通過する。
「あ...はい...」 としか言えない俺。
そして・・・
その一点が俺の前を通過して、俺に向かって、「こんにちは!」と言った時。
心臓が急にうるさくなった。
心臓って喉にも耳にもあったっけ?ってくらいアチコチで鼓動する。
呼吸をするのも忘れるくらいで。
「あ...あのっ!!」
思わず声を掛けてしまった。
「え?」って感じに振り返る彼女。
「あ...えっと...今日は宜しくお願いします...」
「はい、こちらこそ!!」
彼女はクシャっとした笑顔で俺に言った。
その笑顔にまた俺の心臓はアチコチで鼓動しだす。
ヤバイ・・・
俺・・・
ヤバイ・・・
彼女の後姿を目で追いながら、右手で口を押さえる。
なんだよ、コレ。ニヤケが止まんねぇ・・・
ってか、なんだよ、コレ。
ドキドキが止まんねぇ・・・