てっぺんまでもうすぐ
僕は彼女の表情を伺おうとしたが、オレンジ色をバックにした彼女の顔は、こちらからは影になり、見ることが出来なかった。


「最後、どれに乗ろうか?」


「ア、アレ……」


僕はイルミネーションのお陰で昼間よりも綺麗になった観覧車を指差す。


今日、来る前から、いや、ずっと前から、最後は観覧車に乗ると決めていた。




「次の方、どうぞ〜!」


僕と同じくらいの年齢の係員が手馴れた手つきでロックを外す。


彼女を先に乗せて、僕が何の気なしに係員を見ると、口をなにやらパクパクさせていた。


『ガ・ン・バ・レ」と。
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