てっぺんまでもうすぐ
ゴンドラの中は思ったよりも静かな空間だった。
メリーゴーランドに流れていた暖かい音色も、ジェットコースターの轟音や歓声も、ゆっくりゆっくりゴンドラが昇るにつれ、遠い世界の音のように小さくなっていく。
後は時折吹き付ける風の音と揺れるゴンドラの音だけになった。
下のイルミネーションを見ている彼女の瞳に、赤や青のぼんやりとした光が映り込んでいる。
思わず僕が見とれていると、彼女と目が合ってしまった。
「ん?」
「い、いや、別に」
僕は首をかしげて問いかける彼女の視線から逃げるように外を見る。
その時、偶然目に入ったゴンドラは、何故か殆どが片側に傾いていた。
「アレ……どうして傾いて……」
僕はそう言いかけて気づいた。
「ほんとだ……」
彼女もそう返そうとして気づいたみたいだ。
片側に揺れるゴンドラは、恋人同士が乗っていることを示している。
そうだ。
僕だって彼女の隣に座りたい。
ひとつの座席に並んで座りたい。
メリーゴーランドに流れていた暖かい音色も、ジェットコースターの轟音や歓声も、ゆっくりゆっくりゴンドラが昇るにつれ、遠い世界の音のように小さくなっていく。
後は時折吹き付ける風の音と揺れるゴンドラの音だけになった。
下のイルミネーションを見ている彼女の瞳に、赤や青のぼんやりとした光が映り込んでいる。
思わず僕が見とれていると、彼女と目が合ってしまった。
「ん?」
「い、いや、別に」
僕は首をかしげて問いかける彼女の視線から逃げるように外を見る。
その時、偶然目に入ったゴンドラは、何故か殆どが片側に傾いていた。
「アレ……どうして傾いて……」
僕はそう言いかけて気づいた。
「ほんとだ……」
彼女もそう返そうとして気づいたみたいだ。
片側に揺れるゴンドラは、恋人同士が乗っていることを示している。
そうだ。
僕だって彼女の隣に座りたい。
ひとつの座席に並んで座りたい。