てっぺんまでもうすぐ
そうしているうちに、僕らのゴンドラはさらに高い場所へと昇っていく。


そのせいか、ゴンドラを揺らす風も少し強くなった気がした。


「少し……怖いね」


彼女が、観覧車を選んだ僕に気遣わせないような優しい声色でそう言った。


「うん、でも、ほら、あそこ綺麗だよ!」


僕はそう言った後、冗談ぽく彼女の手を握った。


「大丈夫だよ」なんて言いながら。
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