てっぺんまでもうすぐ
彼女の手を握る。


いや、僕は3本の指で彼女の手をつまんでいるようなもので、これは『握る』という行為とは言えないのかもしれない。




僕は彼女が好きだ。


彼女も好意を持っていてくれてると思う。


だけど、考えれば考えるほど、僕はわからなくなる。




 彼女に思いを受け入れられなかったら?


 彼女を困らせたら?


 彼女が望んでいなかったら?




僕の自信は、歩幅の違いや、ちょっとした揺れで断たれてしまう、今、繋いでいる3本の指のように、不安定で不確かなものだった。
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