Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
人の流れに逆らって進むのは思ったよりも疲れる。


気になった出店までたどり着くだけで一苦労。


昴先生にお土産を買って帰るって約束したから先に買っちゃおう。



「おじさん!これ下さいっ」

『はいよっっ!!』



見た瞬間何だか昴先生っぽいなと思って、扇子を買った。


紺に近い青地に桃色の桜が描かれている扇子。



「ヤバイ!!もう30分も過ぎてるじゃんッッ」



急いで待ち合わせ場所に行きたいのに、人ごみのせいで思うように進めない。


もうっ!!早く歩いてよぉぉ!!





「はぁ、はぁッッ……やっと着いた………」



結局待ち合わせの時間を45分も過ぎてしまった。


でもまだ京ちゃんの姿は見当たらなくて、携帯にも連絡は無かった。


寝坊かな?


電話してみようかとも思ったけど、急かしちゃうのも嫌だからもう少し待ってみることにした。





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