Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
----------
--------
------
----
--




タクシーから降りると走って受付に向かった。



「ハァッハァッッすみませんッッ!!成瀬 京さんの病室はどこですか!?」

「お調べ致しますので少々お待ち下さい」



こんなに焦って聞いてるのに呑気にPCで調べている受付のお姉さん。


早くッッ!!



「VIP専用の5号室ですね」

「ありがとうございますッッ!!!」

「あっ!廊下を走らないで下さい!!」



お姉さんの言葉も聞かず、私は行きなれたVIPのある病棟まで全速力で走った。


昴先生の話によれば、道端で苦しそうに倒れていたところをたまたま通りかかった人が、救急車を呼んでくれたらしい。


きっと持病の心臓になんらかの異変が起こったんだ。


誰も救急車を呼んでくれなかったら京ちゃんはッッ……そう思うと走りながら涙が溢れてきた。





< 127 / 253 >

この作品をシェア

pagetop