Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『…まりあ』

「きょッッう、ちゃんッッ」



まりあが走ってきて、そのままの勢いで俺に抱きついてきた。


酷く震えながら俺にしがみ付いている。


俺はまりあの後頭部に手を置き、落ち着かせるようにそっと撫でた。



『悪ぃ……せっかくの初詣、台無しにしちまったな………』

「そんなッこと、いいの!!京ちゃんが無事ならッッそれで、いいッッのッッッ!!」



泣きながら必死に喋るまりあに心が痛んだ。


俺が思っていた以上にまりあは俺の体を心配してくれてたんだなと思った。



『なんで、俺が運ばれたのが分かったんだ?』

「昴ッッ先生が連絡してくれッた、からッッ」

『昴先生?』

『今年から研修医としてこの病院で働いている先生だよ』



泣いて喋れないまりあの変わりに院長先生が教えてくれた。





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