Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
ずっと俺の胸に顔を埋めるようにしがみついているまりあ。



『まりあ、顔見せて』



顔を上げずに首を横に振られる。



『院長先生の娘だから、時間外でもでかい面して院内を歩いてたわけだ』

「でかい面なんてしてないもんッッ!!」

『やっと顔上げた。嘘だよ、んなこと思ったことねぇよ』

「ばかぁぁぁ!!」



顔を上げたまりあの目は真っ赤で、目が溶けてなくなるんじゃないかってくらい涙を流していた。



『いい加減泣き止め』

「だってぇぇぇ……」

『泣き止むならここにいろ。泣くなら病室の外で泣け』



俺がそう言うと、涙を拭い鼻をすすりながらまりあが一生懸命泣き止もうとする。


俺も院長先生もそんなまりあの様子を見て笑ってしまった。





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