Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
『成瀬君、何かあれば我慢せずにすぐナースコールを押すんだよ』
『はい』
『まりあはあまり成瀬君を困らせないように』
「…うん」
院長先生はまりあの頭をポンポンと2回軽く叩くと、部屋から出て行ってしまった。
俺から体を離したまりあだが、手はずっと握っている。
もう暫く離してはくれなさそうだ。
『もうそんな辛そうな顔すんな。俺まで辛くなる』
「…うん」
『いつかこの日がくるんじゃないかとは思ってた。手術を受けたけど、別にそれで治ったわけじゃねぇからな』
「簡単にお父さんから聞いたことある。バチスタ手術は症状を軽くしてあげることしかできないって……」
『あぁ』
恐らくこれ以上悪化するようなら俺は助からない。
心臓移植を受けなければ…。
病気が見つかってから移植希望登録をして5年は経つが、まだ移植できる心臓は見つからない。
もう、見つからないような気がする。
『はい』
『まりあはあまり成瀬君を困らせないように』
「…うん」
院長先生はまりあの頭をポンポンと2回軽く叩くと、部屋から出て行ってしまった。
俺から体を離したまりあだが、手はずっと握っている。
もう暫く離してはくれなさそうだ。
『もうそんな辛そうな顔すんな。俺まで辛くなる』
「…うん」
『いつかこの日がくるんじゃないかとは思ってた。手術を受けたけど、別にそれで治ったわけじゃねぇからな』
「簡単にお父さんから聞いたことある。バチスタ手術は症状を軽くしてあげることしかできないって……」
『あぁ』
恐らくこれ以上悪化するようなら俺は助からない。
心臓移植を受けなければ…。
病気が見つかってから移植希望登録をして5年は経つが、まだ移植できる心臓は見つからない。
もう、見つからないような気がする。