Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
さっきまではどこか優しげな顔つきだったのに、鋭い怒ったような目を向けられ戸惑った。



『お前が手術も受けずに死んだら、お前のお母さんは犬死にだな』

「なッッ何でそんな酷いこと言うの!?」

『お前は死んだ母親に対してもっと酷いことをしようとしてんじゃねぇか!!!』

「ッッ」



今まで誰からもこんなに怒鳴られたことがなかったのに、今日会ったばかりの人に怒鳴られるなんて思ってもみなかった。


私は何て答えていいのか分からなくて、ただただ泣くしか出来なかった。



『お前が手術受けねぇなら俺も明日手術受けねぇ』

「な、に…言ってんの!?」

『俺は死ぬのを待つだけだ。死んだらそれこそお前のせいだな』



何でそんな事言うの?


理解出来なくて、頭のなかは混乱してグチャグチャで、益々涙が溢れるもんだから私は咄嗟に下を向いた。


声はどんなに我慢しようとしても、静かな室内に私の嗚咽交じりの声が響いている。






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