Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
頭の上に温かくて自分の手よりも大きな手がそっと乗せられた。



『俺を助けろよ』

「ッッえっ……」



顔を上げるとさっきまでの怖い顔とはうって変わって、穏やかな顔をしていた。



『お前が手術を受けるなら、お前の母親の想いも浮かばれるだろうし、俺の命も助かる。そうだろ?』

「私ッッ……」

『病気と現実から逃げんな。手術、受けるって言え』



口は決して良いとは言えないけど、心の温もりが伝わってくるのが分かった。


私の心も伝染するかのようにポカポカと、そして軽くなっていく感じがした。







「手術…ッッ受けるッッッッ」



そう言った私の頭をクシャクシャする彼の笑顔はまるでお日様の様だった。







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