Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
「また来ちゃったぁ」

『学校サボったのかよ』

「今日土曜日だよ?」

『あぁ…そうだっけ?ここにいると曜日の感覚がなくなる』



私がいつもの定位置のベッド横の椅子に腰かけると、京ちゃんは体を起こし、ベッドに座る体勢になった。


VIPの病室にはふかふかのソファーも置かれているけど、ベッドと少し距離があるから、私は絶対に椅子に座る。



「今日は誰も来ないの?」

『さぁな、あいつら連絡なしに来るから』



私が京ちゃんの病室にいる時に、省吾さんと音葉さんと鉢合わせたことが何度かあった。


音葉さんとは会えば挨拶はするけど、特に会話をすることはない。


いつも省吾さんとしか会話らしい会話はしない。


私がすぐに病室を出るようにしているからかもしれないけど。


友達が来てるのにずっといても邪魔なだけだからね。






< 153 / 253 >

この作品をシェア

pagetop