Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
京ちゃんが何かを決意したような顔をして、私の方に顔を向けてきた。



『今日の夜予定あんの?』

「特に何もないよ。真っ直ぐ家に帰ってゴロゴロするだけ」

『なら今日は夜まで付き合え』



ちょっと偉そうな言い方だけど、京ちゃんの耳はほんのりピンク色で、きっと照れ隠しなんだろうなって思った。



「いいけど、何かあるの?」

『星見る約束してただろ?ここに展望室があんだよ、だから付き合え』

「うん」



誘ってくれて嬉しかったけど、なんだか私の胸はもやもやしてどうも気持ちが悪かった。


純粋に星が見たいとかじゃなくて、今のうちに約束を果たさいと…って思いから誘われたような気がしたからかもしれない。


京ちゃんは心のどこかでもう助からないって思ってるのかも………。



「京ちゃん」

『何だよ』

「……夜楽しみだねっ」



「大丈夫だよ」なんて浅はかな言葉は口がさけても言えなくて、半分思いつきのような言葉が口から出てしまった。


そんな私の言葉に笑って返してくれた京ちゃんを見て、なんだか泣きそうになった。





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