Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
私はいったん家に帰ってまた来ると言い、自分の病室に戻った。


本当は夜までずっと一緒にいたかったけど、自分の体が無理だと言っていた。


病室に戻りベッドに横になって直ぐにナースコールを押した。


暫くすると、昴先生が病室に入ってきた。



『症状を教えてくれる?』

「頭が痛いです…あと、少しボーっとするんです」

『熱を測ろうか』



昴先生から体温計を受け取り、私は脇に挟んだ。


その間に昴先生は触診してくれている。



『成瀬君のところに行っていたの?』

「はい。でも、もう帰るって言って戻ってきちゃいました」

『せめて、僕の前では無理をしないでね。辛いときは辛いと言ってほしい』

「心配してくれてありがとうございます。今も、辛いからこうやって来てもらってます」



笑ってそう言葉を返すと、昴先生に呆れたような笑顔を返されてしまった。



『体だけじゃない、心が辛い時もだよ』



頭を撫でてくれる昴先生の手からは優しい温もりが伝わってきた。





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