Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
◇第四章◇

想いと現実の狭間

人間って不思議。


心の変化で体調まで左右されちゃうんだもん。


音葉さんと話をしてから私の心は何故だか軽くなっていた。


京ちゃんの事を任せられる人が見つかったからだろうか…こんな事を思うと、まるで京ちゃんの母親になったみたいだ。



『まりあちゃん、具合はどう?』

「…まぁまぁ、です」



心が軽くなった分、生への執着が薄れてしまったからなのか、現実を受け止められたからなのか、何が原因かは分からないけど、面白いほど私の病状は悪化していった。



『ご飯食べられそう?』



テーブルの上に置かれたトレーの中は綺麗に残っていて、まだ一度も手をつけていなかった。


昴先生はそのトレーを見詰めながらベッド横の椅子に腰を下ろした。



「昴先生が一緒なら」

『嬉しいことを言ってくれるね』



私は昴先生に支えられながら、上半身を起こしベッドに腰掛けた。


体調が悪いときはもう自分で起き上がることもままならない。





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