Maria ~私の心を貴方に捧ぐ~
私のせいで病室の中は暗くじめじめした雰囲気になってしまった。


海は眠っていてくれてよかったと思った。


真由さんが泣いてたらつられて泣いてしまいそうだから。



「そんな顔しないで下さい。私は家族にも先生方にも恵まれていて、凄く幸せです。これからもこんな私を宜しくお願いします」



お父さんがソファーから立ち上がり、ベッドに腰を下ろし抱きしめてくれた。


私はお父さんの温もりを確かめるように腕を背中に回ししがみ付いた。


今は涙なんて流したくないほど、この幸せな時間を一秒でも多く噛み締めていたいと思った。



『まりあちゃん、僕の言葉を覚えてる?』

「いつの言葉ですか?昴先生はいつもたくさんの言葉をくれるから、思い付き過ぎて分からないです」



私が笑って答えると昴先生も笑顔で返してくれた。



『それじゃあ今まで贈った全ての言葉、にしようかな。今まで話した事は僕の心からの言葉だよ、だからいつも僕やみんがついていることを忘れないで』

「はい、すっごく心強いですっっ!!」



みんなの優しさと温もりを心身ともに感じながら、同時に心がふわふわしていく不思議な感じがした。





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